Sound Venture |
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Georgie Fame |
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1966/ SX 6076/ UK/ Columbia/ LP | |
前作から“Get Away”、“Sunny”のシングルを挟みつつ、同じ66年に発表されたジョージィの4thアルバムは、ハリー・サウス・ビッグ・バンドと共演したジャズ・ヴォーカルアルバムとなりました。このバンドには、ジョージィが毎年秋に出演しているジャズクラブの創設者Ronnie Scottも在籍しており、バンマスのHarry Southはジョージィと親交が深いAnnie Rossの音楽ディレクターも務めていたとのこと。ちなみにブルーフレイムズはほぼ解散状態になっていました。 ジャンルを横断した小気味いいミクスチャー感覚が最大の魅力だったことを考えると、このストレートなジャズへの回帰は後退した印象を与えるかもしれません。しかしながら、ソロ・シンガーとしてキャリアを積む決心をしたジョージィにとって、ビッグ・バンド・ジャズという歌い手としての力量が直接問われるスタイルは、アルバム名通り挑戦しがいのあるチャレンジだったのでしょう。鍵盤の前からいったん離れ、あたかも自身のシンガーとしての資質を再発見しているような喜びが伝わってきます。 余裕たっぷりの大人な雰囲気を満喫できるアルバムですが、ジョージィ自身がちょっと背伸びしすぎたと感じていたのか、ラストを飾るJBのカバー[12]では一転して素をさらけ出すように元気の良いボーカルを聴かせてくれるのが楽しいですね。また、[4][10]と自作のナンバーがはじめてアルバムに収録された点にも要注目。【K】 |